懐かしい味。
小さい頃に父が作ってくれた、不揃いで大量のドーナツ。
小麦粉、砂糖、ベーキングパウダー、卵、牛乳、、
レシピは見ずに、感覚で混ぜる。
出来たタネは、家族全員で粉だらけになって、成形していく。
型でくり抜くのもよし、好きな形を手で作るもよし。
思い思いの形が出来上がっていく。
そしたら今度は揚げ担当の母にバトンタッチ。
油の中で香ばしくて甘ーい香りを漂わせながらみるみる膨らんでいく。
その様子を見るのが大好きだった。
いつも父は、分量無視で作るもんだから、出来上がりは大量。
大皿2枚に山盛りの不揃いのドーナツ。
揚げたてはカリカリふわふわで、何個でも食べられそう。
でも冷えたらかたーくなって、人気がなくなってしまう。
それでも甘いものがなかった我が家では、お腹を空かせた子供のおやつがわり。
カリカリの食感はなくなって、口に入れてもモソモソして口の中の水分がなくなるけど、その素朴でほんのり甘い味は、なぜかくせになる。
やっぱり何個でもいけてしまう味。
家族みんなで楽しく作った思い出の味。
それがわたしの大好きなおやつです。