横断歩道。
昨日、信号機のない横断歩道を渡った時のこと。
その場所はよく警察が張っていて、歩行者が待っているのに一時停止をしなかった車が、検挙されることで有名なところ。
そこをよく通るドライバーならば、歩行者がいるときは検挙されるリスクより一旦停止の手間を選ぶのが通例になってきている。
わたし自身も気をつけて運転をしている場所ではあるけど、昨日は歩行者としてその横断歩道を渡った。
職場のすぐ近くにスーパーがあり、お昼ご飯などを買いに行く時は、その横断歩道を使うのだ。
買い物を済ませてそこを渡ろうと左右を見ると、右からの車はなかったが、左からは少し遠くに車が走ってきているのが見えた。
少し待って、停まってもらってから渡ってもよかったけど、小走りで渡ってしまった。
現に小走りで渡れないほどの距離ではなかったし、何より、わざわざわたし一人のために車を一台停止させてしまうことの申し訳なさが勝ってしまった。
今、渡る人はわたししかいないし、ここで一度停まるのは嫌だろうな、めんどくさいと感じさせてしまうだろうな。
そんな思いが頭をよぎったのだ。
渡り終えた後に、自分、なんて優しいんだろうと思った。笑
別に知り合いでも友人でも恩人でもない見ず知らずのドライバーに、そこまで気を遣うなんて。そして自分が走ればいいと思うなんて。
多分そこらへんにいる人たちや、一緒に働いているわたしが知りうる限り人並み以上に心が使える同僚たちだって、多分そんなこと考えないと思う。
別にひどい人間とは思わなくて、それが世間の普通なんだと思う。
だけど、昨日はそんな自分が愛おしく感じられた。
別にしなくても、誰も怒らないし咎めないし非難されない。逆に言うと、誰も見ていないし誰も褒めてはくれない。
そんなのを、わざわざやっちゃう自分、偉いじゃん!って。
少しずつ自分のことをちゃんと褒めてあげられて、好きになっていけている気がして、とても嬉しかった。
ゆくゆくは、何もしてなくても病んでても、自分すごいと褒めてあげられるようになりたいと思っている。