溢れた涙に詰まった親の愛。
母が泣いた。
父もちょびっと泣いた。
私が、奨学金を完済した話をしたら泣いた。
私は混乱した。
喜んでほしかった。
自分の娘が、大金を払えるまでに成長したということを。
だけど、親の心子知らずとはこのことなんだろう。
父と母は、心配していたのだ。
それ以上に、申し訳なく思っていたのだ。
いくら私が誇らしげに話したところで、痛々しく見えるに違いない。
母は言った。
「よく返したね。・・・親は何にもしてやれんで・・・」
そして涙をティッシュで押さえた。
私はやはり自分のことしか考えていなかった。
私が奨学金の話をする度に、申し訳なく思っていたのだろう。
そういうことを一番身近な大事な人に対して思えないのだ。
私はまだ子供なのだ。
自分が思っている以上に、親心は深いのだと感じざるを得ない。
とてつもなく深い。
親は、その愛情をうまく調節しながら注いでくれているのだろうか。
うちみたいな不器用な両親でさえ、時々今回みたいに唐突に溢れ出す時がある。
子供にしてみれば、唐突に溢れ出した時は、その愛情をどう受け止めればいいのだろうと、とてつもなく戸惑う。
今回も、本当に混乱した。
どう反応したらいいのかわからなかった。
自分は本当にまだまだだ。
ゴールが果てしなく遠く感じる。
でもゴールって、死ぬ時だよな。
死ぬまで進化し続けようとしてるってことだよな。
すごいやん。
イコール、終わることのない闘争の連続だけど。
今、私は、ちゃんと親と向き合うことを求められているんだな。
見えない力に導かれて、自然とそういう時を与えられている気がする。
そして、それが一番、自分とも向き合う近道になるんだな。
大事なことに気づけた気がするので、きちんと書き留めておくことにする。